せんたク。
いつものバス停にて――
「一生、同じ肉しか食べられなくなったら?」
月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんなアンケ~ト記事を読んでいた。
「牛、豚、鶏の中でこれと決めたら他が食べられなくなるとしたら、どれを選ぶ……やっぱり牛かしら? でも、そ~するとカツ系が食べられなく……鶏の場合はどこまでセ~フになるのかしら? タマゴはOKなの?」
そんな事を言いながら、続きを読み進める。
「牛二四パ~セント、豚三二パ~セント、鶏が四二パ~セント――意外に鶏が多いのね~。タマゴもダメならこの結果は納得できるケド……牛はもうちょっと多い気がする……」
若干の不満顔でそう洩らす。
「でも、だいたい三〇パ~セント前後で別れてるわね……選べないわよね! それぞれいいトコがあるし、牛丼だってタマゴ落とすのと落とさないとじゃぜんぜん別物だし……」
腕組みしながら、そんな事を言う。
「けっきょく月夜はウシさんなの?」
しばらく黙ってみていたイブキが聞いてくる。
「ん~……ん~……」
かなり熟考する。
「牛丼なら牛……でも、牛だけじゃ完成しないし、鶏よね、鶏……いろんな部位が楽しめて部位によって味も食感もぜんぜん違うしなによりタマゴ……タマゴ料理が全部ダメなら死刑宣告に等しい……豚のアブラもいいわよね……クセが少なくて……イノシシはセ~フなのかしら? イノブタはダメよね?」
ついに代替品まで考え始める。
「ダメっ! ウチには選べないっ!!」
頭を抱えてそんな事をいう月夜。
「まあ、ただのアンケ~トきじにそこまでなやむ月夜がすごいよねぇ~」
苦悩する月夜をみながら、そんな事をいうイブキだった。
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