ついてル。

 いつものバス停にて――


「PS5のカイハツキットのガゾ~がリュ~シュツ……」

 イブキがゲ~ム系ニュ~スの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「このVジカットのデザインのままいくんかなぁ~? ちょっと……む~……かなりダサい……いやいや。ゲ~ムハ~ドやパソコンはみためよりもセ~ノ~だからっ!!」

 自分に言い聞かせるようにそんな事を言いながら、


「しかもチョ~コ~ソクSSDをト~サイって、だだでさえはっやいSSDをさらに100バイもはやくするって……1ビョ~に51GBのテンソ~ソクドって……ネオジオCDのロ~ドじかんにトイレいったり、セント~かいしまえにおゆいれたカップメンをロ~ドじかんのときにたべたり(しかも、たべおわるほうがはやい)。そんなジダイからはかんがえられないよねっ!」

 イブキがそんな事を言っている隣では、


「最近、なんか調子悪いのよね〜」

 首まわりを押さえながら、そんな事を月夜がいう。


「そなの?」


「変な夢みるし、それで起きたら金縛りに合うし」


「ふみふみゅ……」

 イブキがそれを聞きながらスマホで何かの記事を出す。


「物を忘れたり、不注意で壊したり、何にもないトコで転んだり……疲れてるのかしら?」


「よくなにかのケハイとかかんじない?」


「ん〜……気配とゆ〜か〜獣臭とかするときあるかも」


「ついてるねソレ」


「ついてないよ〜」


「いやいや。よくないモノ。ほら――」


「あなたの憑もの度?」


「そそ。ぜんぶあてはまってるよ。おはらいいったほ〜がいいんじゃない?」


「だ、大丈夫……よ。牛丼食べれば治るわよ」

 青ざめながら、そんな事をいう月夜だった。

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