いたずラ。

 いつものバス停にて――


「ストップするまで肉がドンドンでてくるステ~キ食べほ~だいのっ!?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「すっごいわね! そ、そんな素晴らしいお店があるなんて……約一〇種類の部位を五〇グラムづつ提供――五〇グラムなんてすぐじゃないっ!」

 次々とでてくるステ~キを食べまくるシ~ンをイメ~ジしながら、


「いいわ……五〇グラムなら最低四皿は置いておきたいわ」

 月夜がそんな事を言っている隣では、


「ユ~チュ~バ~がオバケにヘンソ~していっぱんのヒトをおどろかしてゴヨ~」

 イブキがテクノロジ~系ニュ~スの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「イタズラをしてたヒトたちはとくしゅメイクやペイントをシヨ~してコ~ドなヘンソ~をして、ツ~コ~ニンやクルマをおどかしていたかぁ~……こんぐらいい~とおも~けどなぁ~」


「いえ絶対許しちゃダメよっ!」

 イブキの洩らした声にそう言い切る月夜。


「夜にオバケのフリして――人を驚かして追いまわして――重罪よ重罪っ!」

 まるで自分が被害にでもあったかのような言い方だ。


「えぇ! そこまで?」


「怖いじゃない! 夜うしろから血まみれの人が追っかけてきたら――」


「う~みゅ……ハロウィンだったゆるされたかなぁ~?」

 ゾンビの恰好して追いかけてきた人へバス停を投げつける月夜の姿をイメ~ジしながら、そんな事を言うのだった。

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