ねあゲ。

いつものバス停にて――


「あの肉で肉を挟むハンバ〜ガ〜がさらに進化っ⁉︎」

月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「ど〜進化したのかしら? 肉を肉で挟むなんて、すっごい発想をさらに進化させる……あっ! もしかして挟んで牛丼の上に『どんっ!』とかっ!」

月夜がよくわからない食べ物をイメ〜ジしながら、続きを読み進める。


「肉カツ肉バ〜ガ〜……そっか! カツを追加したのね〜牛丼のうえへはまだ早かったか〜」

まるで次は牛丼のうえにいくかのような言い方で、


「これはこれで良さそう。うん」

画像を見ながら、そんな事を言っている月夜の隣では、


「シカせんげ〜ねあげっ⁉︎」

イブキが動物系のニュ〜スの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「あれ、ねあげすんだぁ〜……」

煎餅目的の鹿の追い回された過去を思いだしながら、


「こんどはもっとキキせまるかんじでくるのかなぁ〜?」

イメ〜ジの中の鹿が目を血走らせて、ヨダレを垂らし「おまえも喰ってやる!」と言いながら迫ってくるモノに変わる。


「うぅ〜……ゾンビのがマシかもぉ〜」

そんな事をいいながら身震いする。


「ねあげは28ネンぶりかぁ〜。そ〜いえば、おいし〜のかなぁ〜?」


「ちょっと乾燥してて飲み込みづらいケド悪くなかったわよ」


「えっ! たべたの月夜っ⁉︎ あっ!」

言ってから、せっかく煎餅買っても近くに鹿が寄ってこず、仕方なしに煎餅を齧ってる月夜の姿が思い浮かぶ。


「そ、そっかぁ〜……おいし〜んだぁ〜」

そういって触れずに話しを終わらすイブキだった。

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