あキ。

いつものバス停にて――


「マロンまん?」

月夜がグルメ系アプリの中にあった、コンビニの中華まん新メニュ〜を見ていた。


「栗ね〜。プリンまんとかチョコまんとか定期的にスィ〜ツ系中華まんでるわよね〜」

中央を割って中身を露出させた画像を見ながら、そんな事を言う。


「イタリア産の栗をつかって栗餡と一緒に……あんまんみたいな感じで中に栗って感じかしらね〜?」

商品解説を読みながら、そんな風に洩らす月夜の隣では、


「アップルパイにべにイモソフトっ!」

イブキが家具屋の中にあるフ〜ドコ〜トレストランの秋メニュ〜を見ていた。


「べにイモソフトかぁ〜……」

イブキが紫色のソフトクリ〜ム画像を見ながら、


「これよさそぉ〜だよねぇ〜。フレンチト〜ストアップルパイふ〜もよさそぉ〜だし」

ホイップクリ〜ムやキャメルソ〜スのかかったト〜ストの画像を見ながら、


「べにイモソフトだけはたべとかないとっ!」

妙な使命感に燃えるイブキ。


「ザリガニはないの? そこといえばザリガニでしょ?」

月夜がそう口を挟んでくる。


「う〜みゅ……あきのデザ〜トメニュ〜っぽいからなさそぉ〜」


「そっか……イモザリガニ……アップルザリガニ……ありだと思うケド……」


「ないよっ!」

全くイメ〜ジできない料理に思わずそう言い返すイブキだった。

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