たいフ〜。

いつものバス停にて――


「アメすっごいなぁ〜」

設置されている屋根の下から空を見上げ、そんな事をいうイブキ。


「せっかくウミいこ〜っとおもったらタイフ〜……」

強い風に髪を嬲られ、


「なんで、こんなヒにそといんだろぉ〜」

そんな疑問を口にする。


「アンタが海、男、ナンパっていって強引に誘ったんじゃない」

長い髪を風に嬲れ、鬱陶し気な表情をしながら月夜が言う。


「だって……あたらし〜ミズギかったんだモン! いきたくなるでしょ!」

瞳の中に炎を宿らせて言い切る。


「……とどいたやつきたら、なんかちょとちがうなぁ〜……とはおもったけど……」


「とくにムネ辺りね」

月夜がスタイル抜群のモデルさんが自信満々に着こなしている画像を輝く瞳で見つめながら、商品を注文しているイブキの姿をイメ〜ジする。


「でも、これでビ〜チのしせんをあつめるのっ‼︎」


「そ〜ゆ〜ケド、アンタいつも着いたら海の家に突撃するじゃない」

氷水に浮かぶラムネにまっしぐらな姿を思い出す。


「それは月夜!」

ヤキソバ、タコヤキ、ラ〜メンの海の家三代名物にまっしぐらな月夜の姿を思い出す。


「だ、だいたい海の家率九割のウチ等がナンパされるワケないでしょ」


「こっちからいくんだよっ! たとえば――」


付き合いで来てみたものの友達はナンパにあけくれ、やる事もなく一人でゲ〜ムをしているハゲた筋肉質の――


「ないっ! 海の家で筋肉質のハゲったオッサンがゲ〜ム?」


「オッサンとはいってないけどぉ〜……じゃ――」


一人Switchで時間を潰すこれといって特徴のない男に巨乳の美少女――


「ちょっと待って! 誰?」


「イブキさん」

自分を指して、


「……まあ。いいわ」

若干、疲れを顔ににじませつつ、


「で、そのビショ〜ジョはこ〜ゆ〜の――」


「レグナ〜ドいきませんか?」


「家でやれっ!」


「え〜! じゃ――」

嵐の中で海の妄想をする二人だった。

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