むきシ。

いつものバス停にて――


「ポテトが1、5バイっ!」

イブキがグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「8ガツ3ニチから31ニチまでっ! おぉ〜ナツヤスミまいにちポテトざんまいっ!」

関係あるのか某寿司店のあのポ〜ズをしながら、


「ほかでもやってくんないかなぁ〜……Xフライドポテトが1、5バイやってくんないかなぁ〜。24ジカンやってるし、おにぎり100エンよりもポテトだよっ!」

イブキがそんな自分好みのワガママを言っている隣では、


「中国で有名大学よりも高給な職業、ザリガニの殻剥き師?」

月夜はグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「中国で日常的に食べられているザリガニ。へぇ〜……そ〜なのね。でも殻をうまく剥ける人が少なく殻剥きをレクチャ〜、要望があれば別料金で客の殻剥きをする職業……そのまんまんね」

記事を読みながら、そんな事を言う。


「でも、キュ〜リョ〜いいんでしょ?」

イブキが口を挟んでくる。


「そ〜ね。中国では有名大学出よりも多いって書いてあるわ」


「じゃ、きっとタイヘンなんだよ」


「そ〜なのかしら?」


「そ〜そ〜。ザリガニがキョ〜ボ〜でミスしたらゆびをきりおとされるとか」


「そんな凶暴なの? 日常的に食べられてるのに??」


「またはニホンのザリガニとはまったくちがって、デッカいとか、それをみんなでキョ〜リョクしてたおしてはぎとり――ムキシだっけ? がソザイとってカラはあたらし〜ソ〜ビにっ!」


「ただのハンティングゲ〜ムじゃない!」


「アイスボ〜ンたのしみだよねぇ〜」

そう言って瞳を輝かせるイブキだった。

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