ふ~ぶつシ。

 いつものバス停にて――


「暑くなってきたわね~」

 月夜は強い日差しを手で遮りながら、


「日中も三〇度こえるようになってきたし……雨も多くなってきて湿度も高いのよね~」

 全く日焼けのない細い腕をさすりながら、


「タイイクとかやだよね~……」


「そうそう! もう体育のあとは二時間ぐらい空き時間ほしいわよね女子は――シャワ~に着替えにエネルギ~補給のための食事」


「スイミンまでいれるとカラダができてホントのイミでのタイイクになんだけどねぇ~」


「そこまでは言わないケド……」


「とりあえずゴゴのジュギョ~はなしにしてもらいたいかなぁ~……ほらプロやきゅ~でもピッチャ~がなげおえるとアイシングされてマッサ~ジされてやすむじゃん? あんなかんじにしてほし~よねっ!」

 イブキが何千、億万もする人材を引き合いにだして、そんな無茶を言う。


「そこまで過酷な運動はしてないケドね~」


「ネッチュ~ショ~たいさくでエアコンかんびのスポ~ツしせつでタイイクしておわったあとはシャワ~あびて、ゴゴはなし」


「そんな漫画のお嬢様学校みたいなトコないでしょ」


「そんなふ~になんないかなぁ~……いまなんってつぎのジュギョ~あるからおわったらダッシュでもどってきがえて――」


「制汗スプレ~よね~」


「そうそう! クラスのみんながつかうからすっごいコトになるよねっ! ヒあったらバクハツしそ~なほどつかうよねぇ~」


「この時期の風物詩よね~」

 制汗スプレ~が充満する中で「ケホケホ」する姿をイメ~ジしながら、そう洩らすのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る