そらとブ。

いつものバス停にて――


「親娘で牛丼屋にいた父と娘のやりとり微笑ましい?」

月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「なにかしら?」

首を傾げながら、続きを読み進める。


「女の子が「美味しい、美味しい」といっているのに父親は相槌をうっていたのだが、わかるな〜初めて牛丼食べた時のインパクトは――まさにビックバンよねっ!」

過去にまったく同様も状況で牛丼に出会った月夜はそう言い切る。


「その後、テンションが上がった女の子が「こんな美味しい物食べた事がない!」というと父親は焦りながら「それはママに言っちゃダメだよ」と言い聞かせた。わかるな〜……ホント毎日でも食べたいとおもわよね〜」

月夜がそんな事を言っている隣では、


「チュ〜ゴクのそらとぶタクシ〜がオウシュ〜でハッピョ〜」

イブキがテクノロジ〜系ニュ〜スの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「ジュ〜デンしきのデンキねんりょ〜で15〜30ふんとべる……これってのってるトキにジュ〜デンランプとかチカチカしだしたらこわいよねぇ〜」

イブキが上空で計器パネルのバッテリ〜ランプが一〇パ〜セント以下になるのをイメ〜ジする。


「あとはつくったトコがチュ〜ゴクだし……」

イブキは少しまえにあった高速鉄道の脱線や天津の大爆発を思い出す。


「さいきんはわりとい〜んだよね。そこそこのセ〜ノ〜のモノをハカクのねだんでかえるし……」

ダメ元で買った中華タブレットを思い出す。


「イノチはかけらんないなぁ〜……ぜったいダイジョブっていわれても月夜のオアズケいじょ〜にしんじられないっ!」


「なんでウチが犬猫扱いなの?」

横で聞いていた月夜がそう言ってくるのだった。

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