やセ〜。

いつものバス停にて――


「マ、マンボ〜でかっ⁉︎」

イブキが二人の男性よりさらに大きなマンボウが写っている画像を見ながら、


「さいしょはフネのザンガイがうちあげられてるとおもったかぁ〜……こんだけデッカいんだったらそ〜おもうよね〜タイチョ〜3メ〜トルでおもさ2トンっ! のれる! イブキさんならこのマンボ〜になれるよっ‼︎」

マンボウの背びれを背もたれにして海中を泳ぐ姿をイメ〜ジする。


「ニホンじゃフグがはやってんのにやっぱしガイコクはスケ〜ルがちがうね!」

水を吐き出すフグのイラストを見ながら、そんな事を言っているイブキの隣では、


「オ〜ストラリアで車のドアをあけて離れ、戻ってきたらコアラがいたっ⁉︎」

月夜が狭い車内で犬とコアラが見つめあってる画像に釣られそんな記事を読んでいた。


「いいな、いいなっ! ウチもそんな事になんないかな」

車内でゆっくりとくつろぐ野生を感じさせないコアラの動画を見ながら、


「オ〜ストラリアはいま真夏で冷房の効いた車内にはいりこんだ? 自分でドアあけたのかしら?」

撮影者が外に出そうとコアラを捕獲しようとするも冷房の吹き出し口に鋭い爪をひっかけて抵抗するコアラの動画を見ながら、


「いやいや。月夜がはいってきたシュンカンものすっごいスピ〜ドでそとへにげだすよ」


「そ、そ〜よね。コアラって結構、俊敏だから……なんでウチこんなに動画に好かれないんだろ?」

動物園でコアラを抱こうとした時の脱兎のような

勢いで逃げたコアラを思い出しながら、


「きっと、おニクたべすぎてオ〜ガタにくしょくジュ〜とおんなじニオイなんじゃない?」

月夜の肩の辺りで鼻を『スンスン』させながら、そんな事を言うイブキだった。

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