ぷりン。

 いつものバス停にて――


「あのフライドチキンが有名なコンビニのチキンが一、五倍にっ!?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「いいじゃないっ! 大きいは正義よっ! 大きいモノにはそれだけ立派、サイズは最重要なのよっ!!」

 瞳をキラッキラさせながら、そんな事を口走る月夜。


「しかもファミチキよ! ファミチキっ!! 五個ぐらい買ってチキン丼でも作ろうかしら?」

 月夜は丼の下にチキンを二つ敷き、その上にご飯の盛りホカホカご飯の上に三つのチキンとタマゴを落とすオリジナル丼をイメ~ジする。


「タマゴをタルタルソ~スに変えたりするのもアリなのよね~」

 月夜がそんな事を考えている隣では、


「ただし~プリンのたべかた?」

 イブキもグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「プリンのたべかたって……まず、うえのぶぶんを2,3クチたべてからシタのカラメルとまぜてイッキにたべるんじゃないのかなぁ~?」


「それだと見た目的にキタナイじゃない」

 イブキの食べ方をそう指摘する月夜。


「え~! でも、でもカラメルとからめるたべかたってほかになくない?」


「まず真ん中を掘り進めるように食べて中央を筒状にして、そこからカラメルソ~スを出していくのが正しい食べ方みたいよ」

 スマホ画面を見ながら、


「え~! ゼッタイにグチャグチャにしたほ~がほどよくまざってソ~スものこんないしおいし~よっ!」


「まあ、マナ~の話しだから気にしないならそれでいいじゃない」

 好きなものをおいしく自分らしい食べ方で食す喜びを知っている月夜はそう言うのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る