ぜんかイ。

いつものバス停にて――


「昨日からロ〜ストビ〜フ重が復活?」

月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「割とおいしくてクオリティ高いのよね〜。ただ特盛にすると一〇〇〇円こえちゃうのよね〜……ど〜せ超えるならワイルドステ〜キよね〜今日までだし……」

月夜が表面を軽く炙っただけで提供されるステ〜キを思い出している隣では、


「ど、ドラクエがエ〜ガかっ⁉︎」

ゲ〜ム系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「そ、それは……また……」

イブキの脳裏に満を持して登場した巨額をかけたCG映画を思い起こす。


「またスピリッツウィズインみたいになんないよね? CGでケアナまでヒョ〜ゲンしますとかなんないよね……」

つい最近起きたオニギリ延期を思い出す。


「ふ、ふあん」

そんな事を洩らし続きを読み進める。


「いまのトコロ、Ⅴのスト〜リ〜がゲンアンとしてサイヨ〜かぁ〜……すっごいのできるのかな〜? ヨシヒコみたいのベツのホ〜コ〜ですごったらウケるかもしんないけど……ダイジョブだよね? 3ネンゴにカイシャのなまえながくなったりしないよね?」


「コ〜カイは8ガツ2カ……ナツマモノになんなければい〜けど……」


「そんなに心配なら行かなければいいじゃない」


「いやいや、これはゲ〜ムずき――ドラクエファンならみとかないとっ!」


「なんだかんだで楽しみなのね」

イブキの爛々と輝く瞳を見ながら、そういう月夜だった。

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