ぷらすさン。

いつものバス停にて――


「へぇ〜キノ〜までLineペイでファミマのかいものが300エンまでムリョ〜になったんだ〜しんなかったな〜」

イブキがテクノロジ〜系ニュ〜スの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「300エンだったらジュ〜スとちょっとしたモノかえたなぁ〜……ちょっとザンネン……」

イブキの脳裏にパック飲料とちっちゃいスナック菓子をイメ〜ジしながら、


「肉まん三個分か〜……」

その隣でそんな風に洩らす月夜。


「えぇ⁉︎ そこまでザンネンじゃないよっ!」

月夜のものすっごい落ち込み具合にそう言うイブキ。


「だって肉まん三個分よっ!」


「ぎゃくにいえば、3コぐらいでしょ」


「いやいや。例えばコンビニで三個買ったとするじゃない」


「うん」


「それが六個になる予定だったのよっ!」


「フツ〜にそんなにいらないとおもう」

至極まっとうなイブキの言葉も月夜の耳にはとどかない。


「ウチはこのプラス三の呪縛によって、全部肉まんプラス三個食べれたハズなのにっ! って思いをこれから一生抱えて生きていくんだわ」


「みっかでわすれよ〜よ」

呆れ顔でそういうイブキ。


「無理よっ!」


「でもさ、ギュ〜ドンじゃなくってよかったでしょ」


「それもそ〜ね。牛丼三杯じゃなくってよかったわっ!」

一生を一〇秒で変えてしまうイブキだった。

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