げんソ~。

 いつものバス停にて――


「水族館がアップルの『イカ』の絵文字が間違っていると指摘?」

 月夜が話題の記事を集めたモノから、


「なにかしら? 足の数が違うとかかな?」

 そんな事を言いながら続きを読み進める。


「イカの顔(?)――目と目の間にある鼻のようなモノはなんだ? 形状からすると『漏斗』という部分らしいケド、それはスミなんかを吐くモノで顔の正面ではなく裏側にある……と指摘し、絵文字のイカは間違ってると……想像以上にど~でもいい事だった」

 食べられる系の話題じゃないと知って、興味を失った月夜の隣では、


「2023ネンまでに700フィ~トきゅ~のキョダイいんせきがショ~トツするカノ~セ~があるっ!?」

 イブキがそんな怪しい記事を読んでいた。


「700フィ~トってどんくらいだろ? まったくニホンゴでOKなのになんでフィ~トとはわっかんないタンイつかうかな~」

 そんな文句をいいつつスマホで700フィ~トとメ~トルに直す。


「なんだ、たった213メ~トル。これならきたってISSのヒトたちが『たかがイチコロひとつ。ISSでおしだしてやるっ!』っていってなんとかしてくれそ~……おもにアメリカのヒトが」

 イブキが空を見上げ、軌道上で実験をしている人々に変な期待を押し付ける。


「さすがにそんな事しないでしょ。インテリなのよ宇宙飛行士って」


「そっかな~」

 インテリと聞いて、なぜかテム・レイの姿をイメ~ジするイブキ。


「それに200メ~トル程度ならウチが打ち返すわよ」

 そういってバス停で素振りをはじめる月夜だった。

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