そらヘ。

 いつものバス停にて――


「すきやき弁当の肉二倍っ!!」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、弁当チェ~ンのそんな記事を読んでいた。


「これから寒くなってくるし、いい目論見よね~。肉二倍に白菜、タマネギ、しらたき、木綿豆腐……寒くなればなるほどおいしくなるわよね~……」

 大きな鉄鍋にグツグツに煮えたスキヤキ、それを前に自身のTwitter画像にもしている山盛りゴハンを持つ。


「タマゴ絡めた肉に白いゴハンはホントおいし~のよね~」

 月夜がそんな妄想をしている隣では、


「ご、ごっじぃらぁ!」

 イブキがスマホでなにかの記事を読みながら、そんな呪文を唱えた!


「つ、ついにゴ、ゴジラがウチュ~へ」

 涼しくなってきた秋空を見上げながら、


「いやいや。松井? 監督就任ならわかるケド、宇宙はないでしょ!」

 イブキの声を聞きとめた月夜はそう口を挟んでくる。


「ちがうよっ! カイジュ~のほうっ!」

 イブキは四肢を大きく広げて、


「そんなのいないじゃない」


「NASAがゴジラをセ~ザにニンテ~すんだって」


「えぇ! じ、じゃ――ゴジラの聖闘士とかでてきちゃうじゃないっ!?」


「それはわりとど~でもいい」


「聖衣がキグルミしかイメ~ジできない」

 頭を抱えながら、そんな事をいう月夜だった。

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