あぶだくしょン。

 いつものバス停にて――


「いや~……スパイダ~マンたのしすぎっ! イブキさんもイトだしながらビルつたってガッコ~いきたいよっ!!」

 イブキは明らかに日本じゃありえない高層ビル群を腕から糸をだして振り子のようになりながら移動する自分の姿を想像する。


「あっ! でもスカ~トじゃムリかな~……やっぱしゼンシンタイツか~……あのカッコ~もかなりユ~キいるよね? なんであっちのヒ~ロ~はタイツなんだろ~? ニホンではぜったいつかまちゃうよね!」

 イブキは日本警察に連行されるス~パ~マンやウルヴァリンの姿を想像している隣では、


「エイリアンによる誘拐事件ね~……」

 月夜が暇つぶしに見ていた怪しい記事に胡散臭いモノをみるような表情で、


「だいたい地球まできて人間を誘拐する理由がわかんないわよね~。キャットルで牛をもっていくのに牛丼つくってるって理由で完全に説明できるケド……」

 もはや宇宙規模で牛丼万能説を言い始める月夜。


「誘拐を経験した人は次のような事が起こる。まず空白の時間がある」


「あるある! きの~スパイダ~マンしててきづいたらアサになってたっ!?」


「それは寝落ちしてただけよ」

 口を挟んできたイブキのそう返す。


「身体に妙なアザなどが――」


「あるある! イブキさんのホホみてよっ!!」


「それは寝落ちしてたときに顔のしたにあったキ~ボ~ドの痕」


「睡眠時の異変、眠りにおちるときに妙な音が聞こえる」


「きこえる、きこえる!」


「それは寸前までやってたゲ~ムの音よ!」

 イブキのアブダクションを完全否定する月夜だった。

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