たいきゅ~セ~。

 いつものバス停にて――


「新作タコヤキの味は『ホットねぎチリ練乳マヨ』っ!?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「へぇ~……辛いのかな? ホットでチリだし、でも練乳かかってんなら甘いのかな? そんでマヨネ~ズ?」

 月夜はいいながら頭上の『?』数を増やしていく。


「タコヤキは今月はじめ食べたばっかしなのよね~……でも、味がきになるからあ食べてみるしかないわね」

 月夜がそんな決意をしている隣では、


「う~ん……」

 イブキがスマホを見ながら、そんな声を洩らしていた。


「またわれちゃったよ~」

 イブキはスマホの角から伸びるクモ巣状のヒビを撫でながら、


「9ガツにかいかえだからも~ちょいなんだけど……もう! ねんねんタイキュ~セ~が2バイあがってますとかゆ~クセにすぐわれんだよねっ!! ゼッタイわれません! センシャがのっても月夜がかじってもわれませんとかゆ~のないのかな~?」


「なんでウチと戦車が同列?」

 そういって口を挟んでくる月夜。


「落ち方に問題があるみたいよ、ほら」

 そういって月夜はスマホ画面にある記事を表示される。


「どんなにガンジョ~でも1メ~トルのたかさからおとしてカドからいったやつはわれる……」


「そそ。画面や背面から落ちたら割と平気みたいよ」


「う~みゅ……やっぱしゼッタイわれないソザイがカイハツされるしかないのね」


「角から落ちても割れないような物ができたらね~」


「いやいや。やっぱしセンシャにキュラキュラされても月夜にガブリされてもわれないソザイだよ」


「だから、なんでウチと戦車が一緒なのよっ!」

 そう抗議する月夜だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る