ゆびきれイ。

 いつものバス停にて――


「う~みゅ……アイスボックスとサクレがうれまくってハンバイチュ~シかぁ~……それでならんでないんだね~。おかげでイブキさんのコ~ラがすぐヌルくなっちゃうよ~」

 イブキは愛用のステンレス保温マッグカップの中にはいったコ~ラを思い起こしながら、


「アイスボックスなんかカンタンにつくれそ~だけどなぁ~……レモンすいをこ~らすだけのラクなおしごとなきがすんだけどなぁ~……」

 イブキがそんな工場の人が聞いたら助走つけてパンチされそうな事を言っている隣では、


「ケンタで指が汚れない、画期的なアイテムが登場っ!?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「このアイテムはオリジナルチキンをはじめ、様々なチキンを食すために日本で考案された指用手袋……でも、ケンタってチキンのおいし~食べ方は手にもって食べるのが一番イイって言ってた気がする」

 月夜が思いだしながら、そんな事を言っていると、


「そ~そ~。すっごいテがよごれんだよね~。ネイルとかキレ~にやってもアブラでテッカッテカになっちゃうモン!」

 イブキが自分の指先を見ながら、そんな不満を口にする。


「そ~ゆ~声が多いからできたサ~ビスなんだろ~ね」


「イブキさんはよごれないからうれし~けどね~」


「じゃ! 食べほ~だい行こっ!!」


「……いや。それは……」

 イブキはレッグチキンを口いっぱいにして後に引っくり返った思い出を浮かび上がらせながら、そう返すのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます