やとりやきキ。

 いつものバス停にて――


「き、キノコのやまにしんフレ~バ~っ!」

 イブキがお菓子の新商品の案内を見ていた。


「キノコのやま――チョコバナナあじ。これゼッタイおいし~やつだよっ! カカオのにおいがひきたつコクのあるチョコレ~トかぁ~……チョコバナナ、おまつりのテ~バンだよね! チョコがコ~ティングされたバナナがいっぱいささってるコ~ケ~……」

 イブキが夏祭り定番の光景を思い出している、隣では、


「ヤキトリが簡単につくれる卓上焼き鳥焼き機っ!?」

 月夜がそんな不思議な器物の名前を叫んでいた。


「煙が出なく、家で簡単でおいし~焼き鳥を作る事ができる! いいじゃない!! こ~ゆ~のほし~な~……」

 月夜は焼き鳥が焼けていく様を見守る自身の姿をイメ~ジしながら、


「しかも自動で回転してムラなく焼き上げる機能もついているっ! もう焼き鳥屋さんのオジサンいらないじゃないっ!!」

 月夜が全国の焼き鳥屋おじさんが聞いたら不買運動を起こしそうな事を言いながら、


「税込み五九八〇円これで焼き鳥食べほ~だいなんて安いっ!」

 月夜は材料費をまったく考慮していない発言をすると、


「なにこれっ!?」


「ふふん♪ 良い感じでしょ! 焼き鳥焼き機」


「いや。こんなんゼッタイいらないでしょ!」


「なんでよっ! これさえあればず~~~~~~~~~~~~っと焼き鳥たべほ~だいよっ!」


「いや、ザイリョ~とかタレとかケッコ~めんどそ~だよこれ」


「そ、そ~言われてみれば……そ~かもね~?」

 夏の暑さでにぶっていた頭がイブキの一言で正常に戻り始めた月夜だった。

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