ふぇス。

いつものバス停にて――


「も〜すぐゴ〜ルデンウィ〜クかぁ〜……」

月夜がそんな声を洩らしながらスマホをいじっていた。


「肉フェスとかないかな〜?」

そんな事を言いながら、グルメ系アプリを見ていると、


「裏メニュ〜――キング牛丼? あっこの最大サイズってメガじゃないんだっ⁉︎」

某牛丼チェ〜ンのメニュ〜にのっていない品というタイトルの記事に興味をもった月夜。


「並盛りのご飯三倍で肉は――六倍っ⁉︎ いいじゃないっ! 今度、食べてみよっと」

月夜がそんな事を言っている隣では、


「セガフェスっ⁉︎」

イブキがそんな声をあげた。


「ドリキャスとメガドラのホンタイとシュ~ヘンききがイチド~にシュ~ケツっ! おぉ!! ドリキャスのツインスティックうってくんないかな~?」

 イブキがすぐ壊れる事で有名な周辺機器の口にしながら、先を読み進める。


「きょだいUFOキャッチャ~? なんだろこれ??」

 イブキが首を傾げる。


「しかもデイトナやバ~チャⅡのキョ~タイまであんだっ!」


「ねね。月夜、月夜これいこ~よっ! ぷよぷよワタアメあるよっ!!」

 スライムのようなワタアメの画像を見せ釣ろうとするイブキ。


「え~……ウチ興味ないもん……」


「いやいや。月夜には、このデッカイクレ~ンでつりさげられてもらうだけでいいから」

 そういいながら巨大UFOキャッチャ~のア~ム部分――クレ~ンに腹這いで吊り下げられている人の画像を見せる。


「もっとイヤよっ!」


「でもケ~ヒンとりほ~だいよっ! イブキさんがクレ~ンそ~さするし、月夜のバカぢからならなんでもとれるよっ!」


「う~……」


「ほら、ソニックやプヨのヌイグルミあるよ」

 そういってスライムや青いネズミの画像を見せる。


「いや、別にいらない」

 画像を見るなり迷っていた心が行かない方に振り切れた月夜だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る