めがネ。

いつものバス停にて――


「あぁ〜……いいなぁ〜……」

月夜がグルメ系アプリの中にあった、駅弁特集の画像を見ながらそんな声を洩らした。


「鯛メシや焼きカニメシとかぜったいおいし〜よね! でも――」

個性的な駅弁の中でも月夜がダントツで惹かれている物は――


「松坂名物黒毛和牛のモ〜太郎弁当よっ!」

月夜は牛の顔型弁当箱の画像を見ながら、


「味もいいけど牛さんの弁当ケ〜スもいいし、これこそ究極の駅弁よね〜」

月夜がそんな事をいっている隣では、


「ワンタッチでエンキンをきりかえれるメガネっ⁉︎」

イブキがテクノロジ〜系ニュ〜スの中にあった、そんな記事を読んで驚いていた。


「レンズのしたにエキショ〜レンズがくみこまれ、フレ〜ムのタッチセンサ〜に1ビョ〜さわるとエンキンのきりかえがカノ〜にっ⁉︎ すっごいなっ! ハイテクメガネ」


「アンタ目悪かったっけ?」

イブキのハシャギ様に月夜が口を挟んでくる。


「ううん。リョ〜メとも2、0だよ」


「じゃ、必要ないじゃん」


「いや〜このままハッテンしていけば、いまにセント〜リョクやイブキさんへのコ〜カンドをはかれるキノ〜とかつくかな〜って……」


「好感度を数値化するとロクな事になんないと思うケド……」

なにやら苦い思い出でもあるのか、アンニュイな表情でそう洩らす月夜だった。

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