かきぞメ。

 いつものバス停にて――


「こ、こげネコ……こんなモエジャンルがあるなんて……」

 イブキはスマホに齧りつくように画面を見つめる。


「そっか~……ネコのおヒゲはスト~ブでやけるとフランスのヒトみたいにさきっぽがまるくなるんだ~」

 イブキはトランプのキングの髪みたいにグルグルに縮れたヒゲのネコを見ながら、


「スト~ブのうえでフツ~にねちゃうんだ~ネコって、そりゃコゲちゃうよね」

 イブキが真っ白な毛のネコが茶色に焦げてる画像を見ながら、


「う~みゅ……やっぱしおヒゲがクリンってなるネコがイチバンかわいい!」

 イブキがそんな事を言っている隣では、


「書初めかぁ~」

 ほとんどの人が冬休みの宿題で嫌々書いていたモノをなんとなく続けている月夜。


「戌年だしな~なんかいいのないかな?」

 そんな事を言いながら、スマホでなにかいい言葉はないか探す。


「イラストは多いんだけど……」

 可愛い柴犬の絵やニワトリが犬が一緒に描かれているモノが多い。


「『戌』でもいいけどなんかイマイチ表現しきれてないのよね~」

 そんな芸術家のような事で苦悩していると、


「きょねんはなんてかいたの?」

 イブキが口を挟んできた。


「去年は『酉肉美味』よっ!」


「そこにイヌがはいらないコトをいのっておくよ」


「食べないわよっ!」

 そう言って怒る月夜だった。

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