ふくぶロ

いつものバス停にて――


「はぁ〜……今年も終わりかぁ〜……」

月夜がスマホの日付を見ながら、


「今年もおいし〜モノいっぱい食べたわね〜……」

脳内に今年食べた様々な肉が走馬灯の蘇る。


「う〜みゅ……ゲ〜ミングPCよ〜のフクブクロかぁ〜……」

イブキが新年に向けて狙い目の福袋を吟味していた。


「イブキさんとしてはサイシンのGTX1080TiやGPDWINIIがほっし〜けど、さすがにないよね?」

そんな事を言いながら、中身のリストを見る。


「マウスコンピュ~タ~……タブレット……タコヤキ……ド~ナッツ……ド~ナッツいいなぁ~……んっ!? ミスドでもフクブクロやってんだっ!? ド~ナッツがタイリョ~にはいってんのかな? したのほ~にあったやつナマクリ~ムがでちゃわないのかな??」


「タコヤキとかはど~すんだろ?」

 イブキは赤い紙袋いっぱいにタコヤキがギュウギュウに詰められているモノをイメ~ジする。


「さすがにコレはないよね~」

 すぐにおもいついたイメ~ジを消す。


「イブキ、イブキ。肉袋ってドッカにない? 焼肉屋さんとか」

 なぜか瞳を輝かせた月夜がそんな事を言ってきた。


「そんなんゼッタイないから、そもそもニクブクロってなに??」

 今年もまだまだ肉を食べたい月夜だった。

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