ぱわ~わ~ド。

いつものバス停にて――


「も〜すぐ今年も終わりかぁ〜……」

月夜は見ていたスマホから朝空へと視線を上げ、真っ白な息とともにそんな事を洩らした。


「も〜すぐ……も〜すぐね……」

瞳を閉じて反芻するように、


「も〜すぐね。クリスマス牛――じゅるり」

突然、飛び出すパワ〜ワ〜ド!


「クリスマスに一人で食べる牛丼……一年に一回だけの幸せよね〜……さらに年越し牛と年明け牛、年忘れ牛も忘れないようにしないと!」

次々とでてくる聞き慣れないワ〜ドを口にする月夜の隣では、


「ミカクをテクノロジ〜のチカラでジユ〜にソ〜さできるっ⁉︎」

テクノロジ〜系ニュ〜スの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「そんなコトできんだっ⁉︎ きっとノ~ミソにカンショ~してど~のとかすっごいギジュツつかうんだろ~なぁ~……」

 イブキがそんな10年後の技術みたいなコトを洩らす。


「ふむふみゅ……ヒトはアジをミカクだけじゃなくってニオイやミタメ、イロなんかでソ~ゴ~テキにかんじている。そのカンカク――イロやニオイをソ~サするコトによってミカクをコントロ~ルするギジュツかぁ~……なるほど、よくわからん!」


「ほら、アレよカキ氷! あれってシロップは全部同じ味なのに色で味が違うように思うでしょ! アレと一緒よっ!」


「おぉ! なるほど……わっかんないけど……ってか、月夜いきなり口挟んでこないでよ」


「そんな事よりも、この技術が確立されたら水が牛丼にっ!?」


「ミズギュ~ドンっ!? いやさすがにそれはムリだとおも~な~」

 そういう声も舞い上がっている月夜の耳には届かなかった。


これは『小説家になろう』で56件目のブックマ~ク登録を記念して執筆されたものです。

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