いめちぇン。

いつものバス停にて――


「あのグンカンそ〜さくだいすきポ〜ルくんがゼカマシちゃんをハッケンっ!」

イブキがなぜかゲ〜ム系ニュ〜スの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「シュ〜センからずいぶんたっちゃったから『おっそーいっ! もっとはやくみつけよっ‼︎』っていってそ〜」

イブキが誰かのモノマネをしつつ、


「それにしてもポ〜ルくんフソ〜ねえさまやヤマシロちゃんもハッケンしてたし……さてはテ〜トクだな!」

イブキがマクロソフトの創業者の一人に、そんな疑いをかけている隣では、


「男性がドキっとする女の子の特徴?」

月夜は珍しくそんな記事を読んでいた。


「ピンクの唇……ねぇ……」

記事を読みながら、イブキのほうを見る。


「ムサシもみつけてたよね〜? このヒト、かんこれとアズレンとバトルシップやってるよっ!」

 そういうイブキの唇はいつもリップクリ~ムだけなのに今日はほんのりサクラ色になっていた。


「スベスベのお肌……」

 いつもはゲ~ムを夜おそくまでやって疲れた肌を化粧で誤魔化しているイブキがだが、今日は陽光にツヤツヤに輝いている。


「そして……痛んでいない髪……」

 月夜はついに――


「なんでウィッグつけてんの?」

 現れたときからずっと綺麗な黒髪をなびかせているイブキに尋ねた。


「う~みゅ……イメチェン?」


「アンタ絶対この記事真に受けてでしょ?」

 そういってスマホ画面をみせる月夜。


「イメチェンだモンっ! そんなのカンケ~ないモン。ふだんボ~イッシュなかんじからのギャップとかねらってないモンっ!!!」

 記事の最後に書かれた事を自ら口にしてしまうイブキだった。

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