そんケ~。

 いつものバス停にて――


「30サイまでにタイキンをゲットして80までダラダラいきるホ~ホ~かぁ~」

 イブキがそんな『楽して儲ける』といった資本主義の理念に則った記事を読んでいた。


「う~みゅ~……ベ~シックインカムがド~ニュ~されれば、きままにゲ~ムジュッキョ~とかでほそぼそくらんだけどなぁ~……ゲ~ムざんめいのジンセ~……ステキだっ!」

 イブキがキラキラした瞳でそんな事を呟いていると、


「ん?」

 下部の関連項目のトコになにかを発見する。


「なっ⁉︎」

発見したまま、隣の月夜に噛み付く!


「月夜! ヤタイでリョ〜がすくないからってテ〜インさんにス〜プかけちゃダメじゃん!」


「タイの屋台で量が少ない事に怒った客が店員にアツアツのス~プをぶっかける事件が発生? いや……ウチじゃないんだケド……」


「こんなコトすんの月夜ぐらいじゃん!」


「しないから、しないから。それにこれタイって書いてあるじゃない。ウチはタイに行った事ないわよ」


「がんばれば、月夜にいけないトコなんてないっ!」


「なんで、そんな意味不明な信頼のされ方されてんのウチっ!? それにウチは絶対、店員さんにこ~ゆ~行為はしないわっ!」


「へ? そなの??」


「うん。だって、これって就業中は常に食べちゃいけないって心の葛藤と戦わないとダメでしょ! ウチには絶対できない!! 正直、尊敬するわっ!!」


「そだね! 月夜はゼッタイできないよねっ!!!」


「そこで、そんな風に納得されるとなんかイラっとするケド、まあいいわ」

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