なゾ。

いつものバス停にて――


「ケッセンがぞ〜って……ウンエ〜ちゃんのやるきがすっごいな〜……ズイウンとかサンマとかでキャキャいってたウンエ〜ちゃんでよかったのに……」

イブキがゲ〜ム系ニュ〜スを見ながら、そんな呟きを洩らす。


「センリョキサお〜きすぎるから、ど〜チョ〜セ〜してもキチクなんいどになりそ〜だけど、ど〜すんのかな?」

イブキがそんな心配をしている隣では、


「マグロ食べほ〜だいっ!」

月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事に食らいついたっ!


「いいわねっ! ウチ一度でいいから、一〇〇キロごえの大物を食べ尽くしたかったのよね〜……じゅるり」

見事な大きさのマグロと寿司やしゃぶしゃぶ、炙り、串物などの画像を見ながら、そんな事をいう月夜。


「う〜みゅ……」

イブキは月夜の身体を見ながら、


「うんとさ〜月夜のタイジュ〜って――」


「ウチは四――ナイショ」

思わずいいかけて後半を飲み込む。


「たとえば49キロだとして」


「そんなに重くないわよ」


「100キロのおサカナさんたべたら149キロになるの?」


「なるのかしら?」

二人して首を傾げる。


「あぁ! きっとたべたソバからすっごいショ〜ヒしてんだよっ!」


「え〜そんな事できないでしょ!」


「いや、できるとおもう……」

月夜の細い腕でバス停を軽々持ち上げている光景を見ながら、そう洩らすイブキだった。

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