すま〜とはぶらシ。

いつものバス停にて――


「今週はいい中華まんの情報はなしかぁ〜……」

冬服の上に一枚追加したカ〜ディガンを着た月夜はそんな事を言いながら、グルメ系アプリを閉じる。


「どんどん寒くなってきてるし、もうちょっと新作だしてほし〜な〜」

言いながら、紙を開けて中からホクホクの湯気が立つ肉にパクッと食らいつく。


「三倍肉マンとか……ングング……牛丼マンなんてものいいわね〜……」

月夜がそんな事を言っている隣では、


「クチにくわえて3ビョ〜でセンジョ〜がカンリョ〜するハブラシっ‼︎ 3ビョ〜はすっごいな3ビョ〜は」

イブキは人差し指と中指、薬指の三本を立てながら、


「でもさ〜……」

月夜がイブキの大型スマホ画面を覗きながら月夜が口を挟んでくる。


「これってボクシングのマウスピ〜スみたいじゃん!」


「ふふん♪ わかってないなぁ〜月夜は――なんかすっごいテクノロジ〜でヨゴレをおとすんだっ! チョ〜デンド〜とかチョ〜シンド〜とかプログレシブてきなアレでっ‼︎」


「――って、アンタもよくわかってないのね」

イブキの曖昧な物言いにそう察する月夜だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る