あうとどア。

いつものバス停にて――


「今年ももうすぐね……」

月夜が少し不安定な天気の空を見上げながら、「風が泣いている」と言わんばかりのアンニュイな表情でそう洩らす。


「もうすぐ……もうすぐ……」

月夜の言葉と同時に不安定だった空の天気は徐々に――


「もうすぐ……一〇月一日……」

やがて雲間から太陽が顔をだし――


「天一の日! ラ〜メンっ‼︎ じゅるり」

その言葉と同意に空から雲が一蹴される!


「毎年、夏休みあけるとそれは楽しみで仕方ないのよね〜」

心底、上機嫌でそんな事を言う月夜の隣では、


「ことしのキャンプちではハチにさされたとゆ〜ホ〜コクがヒジョ〜におおいかぁ〜……わざわざ、そんなトコいくからだよ! ヤマにいきたいならVRタイオ〜ゲ〜ムとかすればいいのに……サツジンキとかくるったマッシ〜ンとかもでてくるケド……」

イブキがそんな事を洩らしていた。


「いやいや。そ〜ゆ〜所に行って蜂に刺されたってゆ〜経験も必要なのよっ!」

イブキの身も蓋もない言動にそう言い返す月夜。


「そっかな〜……ハチなんてフダンからFPSやっててつねにココロをセンジョ〜においとけばさされるまえにゲキツイできるけど」

イブキは中空を叩く仕草をする。


「数百匹きたらど〜すんのよ?」


「う、う〜ん……」


「でしょ」


「で、でもさ、ハチにさされてもイッカイメまではいいんでしょ?」


「アナフィラキシ〜ショックだっけ?」


「そんなやつ。2カイメいこ〜でマズイならやっぱしイエでゲ〜ムのハチたたいてるほ〜がいいよっ!」


「いや……うん……なんかも~いいや。別にウチもアウトドアが好きなワケじゃないし」

 そういってサジをブン投げる月夜だった。

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