あれがなイ!

 いつものバス停にて――


「やっぱり秋よね~」

 月夜がグルメ系アプリを見ながら、そんな声を洩らした。


「牛丼にサンマの蒲焼って……秋の味覚よね~……」

 月夜は某牛丼チェ~ンの新商品画像を見ながら、そんな声を洩らす。


「一見無造作に雑においし~物とみんな大好き牛丼を合体させちゃいました的な安直感があるケド、きっと試行錯誤して味の濃い物同士がケンカしないよ~に試行錯誤したんだろ~な~……」

 月夜が画像を見ながら、そんな深読みをしている隣では、


「ダイガクセ~がおまつりでたべたいヤタイのモノランキング?」

 イブキがそんな割とど~でもいいよ~なアンケ~ト記事を読んでいた。


「う~みゅ……そんなのアレにきまってんじゃん!」


「へぇ~……おもしろそ~なモノ見てるわね」

 イブキの呟きにそう反応する月夜。


「まあイッチバンはきまってるけどね~」

 イブキは自信満々にそう言う。


「五位はイカ焼きかぁ~……なんかアレ食べるとお祭りって気がするモンねぇ~。ウチは七.八杯食べる」


「4イはリンゴアメだね~。あれもいいよね~。2つかって1コたべて、もう1コはイエにかえってゆっくり」


「三、二位はタコ焼きとヤキソバかぁ~。高い割に味はフツ~なんだけど食べちゃうのよね~」


「う~……ユカタだとすっごいたべづらいけどね」


「だからウチみたいに楽な格好で行くのよ!」

 Tシャツとジ~ンズとゆ~格好が祭りでの定番な月夜。


「一位はカキ氷かぁ~……結構意外ね」

 月夜はその結果にそんな感想を抱くと、


「えぇ! イッチバンはチョコバナナでしょ!! チョコバナナがランキングにはいってないなんてやりなおしっ!!!」

 イブキは結果に納得ができずそう言い放つのだった。

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