しゅっぴン。

いつものバス停にて――


「雑誌モデルが着ていた服を自分が着てもなんかしっくりこない感じってあるよね〜」

月夜がオシャレ系ニュ〜スの中にあった、そんなタイトルの記事を読んでいた。


「あるある。割と自分と似た系統のモデルさんが着てたのに自分が着て鏡でみると『なんかこれじゃない感』」

自身も街中を歩けば誰もが振り返って二度見するほどの美少女なのに、大抵は持っている食べ物の量で三度見されてしまう。


「雑誌だと腕が細くて裾がフワリって感じでひろがんのに――着てみると「うわ! ピッチリ! ウチの腕太いんっ⁉︎」ってなるモンっ!」


「とくに首まわりとか肩幅とか、ぜんぜん余裕とかでないのよね〜」

月夜がそんな微妙なファッションセンスで悩んでいる隣では、


「コトシもフリマアプリにナツヤスミのシュクダイがシュッピンされるかぁ〜」

イブキが学生の話題を集めたニュ〜スアプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「う〜みゅ……いまのショ〜ガクセ〜とはいいなぁ〜、こんなんでラクラクしゅくだいシュ〜リョ〜できるし」


「アンタ小学生の頃、宿題なんてやってたっけ?」

イブキの呟きが聞こえた月夜が口を挟んでくる。


「そ〜いえば……やってなかったよ〜な〜……」


「じゃ、いいじゃない」


「そだね」

夏休み最後の一日の始まりだった。

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