NASAがぼしゅ〜してタ。

いつものバス停にて――


「トウモロコシのおいし〜食べ方かぁ〜……」

月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「確か収穫した瞬間が一番、糖度が高くておいし〜って事ぐらいしか知らないなぁ〜」

そんな事を洩らしながら、先を読み進める。


「へぇ〜……水から茹でるのかお湯から茹でるのかで食感が変わるんだ! 水から茹でるとふっくらした粒にお湯からだとシャッキとした歯応えの粒になるかぁ〜。これは好みの問題かな〜」

そんな事を呟く月夜の隣では、


「んしょ、んしょ」

イブキがなぜか折り紙で鶴をつくっていた。


「できた!」

すっごくシワくちゃなうえに形もイビツな鶴を折りあげて。


「なにしてんの?」

月夜がその様子をみて尋ねてくる。


「ふっふん♪ これだよっ!」

イブキはそういってスマホ画面を見せてくる。


「NASAが折り紙職人を募集中? なにこれ??」


「ウチュ〜でホ〜シャネツからロケットをまもるシ〜ルドにゴクウスのソザイをつかうんだって、そのさいにコンパクトにまとめたり、ひらくときモジャモジャにならないようにするためにオリガミのうまいヒトをやといたんだってさ!」


「へぇ〜……」


「これをみせればNASAのヒトも『お〜! サイヨ〜!」ってゆ〜のまちがいナシっ!」

イブキは形もイビツでシワだらけの可哀想な鶴を掲げながら、


「ちょっと貸して」

そういってイブキのカバンから折り紙を一枚取り、


「このくらい出来ないと無理じゃない?」

綺麗に折りあげた鶴を見せながら、そういう月夜だった。

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