ひみつど〜グ。

いつものバス停にて――


「チキンラ〜メンのぶっこみ飯?」

月夜が愛用のグルメ系アプリの中にあった、新発売の情報を見ながら、


「こんなん絶対おいし〜に決まってるじゃない!」

と、瞳をニワトリのカタチにしている月夜の隣では、


「ドラえもんのほし〜ド〜グランキングでオトナぶもんがすっごいヤミをかんじるとワダイ?」

イブキがそんな記事を読んでいた。


「そりゃ〜大人はいろいろ大変だから、子供とほしい物が違うのは当たり前なんじゃない? 人生経験も豊富で使い方もいろいろ考えてそ〜だし」

目をニワトリから戻した月夜が言う。


「でも、イチイはどっちもおなじ『どこでもドア』だよ」


「あ~……子供も大人も移動に一番の不便さを感じてるって事かぁ~……」


「コドモのランキングには『タケコプタ~』はいってんのにオトナにははいってなんだよ、ホラ」

 そういいながら月夜にスマホ画面を見せる。


「大人は空を飛ぶ事をそんなに重要視してないんじゃない? 少しがんばれば飛行機とか乗れるし」


「いやいや、ジユ~にそらとぶのがいいんでしょ! わかってないな~」


「ウチはそんな事よりも大人部門に『人生やり直し機』がはいってんのが、なんか――悲しさを感じる。そんなにやり直したい人生ばっかなのかな~?」


「ん~……イブキさんなら『つよくてニュ~じんせ~』をできるド~グがいいけどね」


「アンタの場合、あと五周ぐらいしてやっとマトモなんじゃない」


「シュ~カイプレイぜんて~なのっ!? イブキさんのジンセ~!!」

 驚愕するイブキだった。

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