しんねん。

 いつものバス停にて――


「「あけましておめでと~ございます」」

 二人は声をハモらせながら、互いに『ペコリ』と頭を下げる。


「「コトシもよろしくおねがいします」」

 頭を下げたまま、そう続ける二人。


「――って、月夜なんかつかれてないっ!?」

 顔を上げたイブキが疲労の色が濃くでている月夜にそう言う。


「あ~……大丈夫、大丈夫。ちょっと~……三日間ぐらい睡眠時間削ったぐらいだから……」


「ダイジョブじゃないじゃんっ!!」


「へ~きよ、へ~き……Zzzzzzzzz」

 そのままカクンと頭が下がると、立ったまま寝息をたてはじめる月夜。


「ダイジョブじゃないじゃんっ!!」

 全く同じ言葉を口にしながら、月夜を揺り起すイブキ。


「はっ! 寝てないよっ!」


「それゼッタイねてたヒトがクチにするコトバだよね?」

 イブキが疑わし気な視線で、


「寝てないって! そんな事よりなんで私服なの?」


「月夜……キョ~はガンタンだよっ! さっきアイサツしたじゃん!!」


「はっ! そ~いえば、なんでウチ制服着てんの?」


「しらないよっ!」

 正月早々からボケボケの月夜にそういうイブキだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る