きゃんどる。

 いつものバス停にて――


「うふふふふふふふふふ――ついに、ついにジェトきましたよっ! キッカとケ~ウン」

 イブキがゲ~ム情報を見ながら、そんな事を洩らす。


「シンガタだよっ! いままでなかったギジュツでつくられたサイシンエ~の――いいね~。ジンルイのギジュツのシッポをみてるきがするよ~」


「じ、人類は……なんて……なんて……物を……」

 隣で月夜も、何かを見ながらそんな事を洩らしていた。


「こんな……こんな……」

 月夜はソレが映ったスマホ画面を見ながら、


「フライドチキンの香りがするアロマキャンドルなんて――」


「そんなのいらないでしょ」

 月夜の呟きを聞きとめ、密かに気になっていたイブキが呆れ顔のままそう言う。


「なんでよっ!」

 月夜が『信じらんない』といった感じで言い返す。


「フライトチキンの匂いだよっ!」


「うん……」

 一人興奮するも全くイブキに伝わらないもどかしさにイラだちながら、


「これがあったら急にチキン食べたくなっても困らないんだよ!」


「いや、ベツにチキンがでてくるワケじゃないし……それにキュ~にチキンたべたくなるときないかな~イブキさんは」


「何回も使い続ければ、部屋にフライドチキンの匂いが染みついて――あぁ……そこかしこからチキンの匂いがする部屋なんてステキ!」

 夢見る少女のような瞳でそんな事をいう月夜に、


「そんなへやムネヤケがとまんないよ」

 そういうイブキの言葉も月夜の耳には届かなかった。

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