うら。

 いつものバス停にて――


「へぇ~……やるじゃん! 日ハム」

 月夜がスマホ画面を見ながら、そんな事を洩らす。


「ん? ヤキュ~? すっごいよね! ものすっごいはなされたのに、おいついてからのギャクテンユウショ~なんでしょ?」

 イブキが明らかに聞きかじっただけですといった雰囲気でそんな事を言う。


「そうなの? ウチはシャウエッセンが値引きされるって話しだよ」

 それも優勝セ~ルの影響なのだが、月夜にとってはどうでもいい事だったので値引きのみが目についたのだった。


「……べつにアルトバイエルンでもい~じゃん」

 イブキがよく使う食材の名前を呟く。


「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 突然、そんな勇ましい声を上げる月夜。


「ウチが――ウチが天一祭りに集中している間に吉野家でも値引きしてるじゃないっ!!」


「ぬう! ウチがラ~メンにきをとられて肉を逃すなんて不覚っ!!」


「そこまでオ~ゲサなコトなのっ!?」

 月夜の大袈裟な物言いに心底驚くイブキだった。

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