ぶざ~

いつものバス停にて――


「プレステVR――9がつ24にちからヨヤクさいかいっ! ハンバイビにとどくのはコンカイヨヤクぶんがサイゴっ⁉︎ う〜ん……ハンバイビにとどくのはイイんだけど……やりたいソフトもないしな〜……」

ゲ〜ム情報を見ながら、そんな風に洩らすイブキの隣では、


「松坂っ‼︎」

突然、月夜が有名投手の名を叫ぶ!


「わっ! なになにど〜したの?」

イブキが飛び上がって驚き、周囲を見渡す。


「イブキ!」

すると、月夜がいつになく真剣な表情になり、


「このゲ〜ムセンタ〜限定ベビ〜スタ〜松坂牛取ってくてくんない……じゅるり」

イブキに頼めば、もはや取ったも同然と味を想像しながら、


「え~! たまにはジブンでとんなよ」


「ウチもできれば、そうしたんだケド……」


「あ~。わかった。あ~ゆ~こまかいのニガテなんでしょ?」


「違う、違う。ウチが触るとどんなに最小の力で触ってもブザ~が鳴っちゃう」


「あ~……ナルホド」

 片手でヒョイヒョイと重い石が付いたバス停をいじっている月夜を見ながら、納得するイブキだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る