び~ち。

 いつものバス停にて――


「京都の水族館で一風変わった品――アユの塩焼きドック?」

 月夜が愛用のグルメ系情報アプリの中にあった、そんな記事に興味を持つ。


「どんなやつなんだろ?」

 月夜が首を傾げながら、読み込まれていく画像を待つ。


「うっ! 予想以上にアユだったっ!?」

 読み込まれた画像には――ホットドック用のパンにソ~セ~ジの代わりに『がぽ!』と嵌め込まれたアユの塩焼き!


「ホントなんの工夫もないしにアユの塩焼きを挟んだだけね……」

 その一種、潔い食べ物に呆れ顔のままそう評す月夜の隣では、


「そ、そ~だったのか……それでイブキさんは……うみでナンパされないのかっ!!」

 イブキが何かの記事を読みながら得心がいったといった表情で、そんな事を洩らす。


「ん? どしたの?」

 イブキの呟きを耳にした月夜が問いかけてくる。


「んとね……うみでオトコのヒトがドンびきするミズギにパットのはいったミズギってのがあるのっ!?」


「うん。しかもアンタのは誰が見てもハッキリわかる感じのやつだね」


「なんでっ!?」


「なんでって……明らかに不自然な体型だし……」


「だって、だってロリキョニュ~ってコトバがあるじゃん!」


「限度がある」


「よし! ことしのモクヒョ~はバレないよ~にナチュラルなパッドを――」


「普通にしてれば声もかけられるとおもうのになぁ~」

 そんな呟きもイブキの耳には届かなかった。

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