たべないで~

いつものバス停にて――


「ぶ〜……ないのなぁ〜……残念」

月夜がスマホで何かを調べてから、そんな声を

洩らす。


「なになに? プレステVRでもさがしてんの?」

呟きを聞き止めたイブキが訪ねてくる。


「ん〜……ミスドの食べほ〜だい――」


「あっ! イブキさんちょっとヘヤのエアコンきったか、みてきる」


「大丈夫よ。全国で24店舗でしかやってなくて、近所のミスドは見事にやってなかったから」


「そっか、そっか。それはザンネン」


「ホント。1200円で1時間なら300個はいけそ〜だったのに……残念」


「月夜がいるから、やらないんじゃない」

と、思ったけど、口には出さなかった。


「そ、そうだ。かっぱスシでマグロあたるんだって」

話題を変えるため、そんな珍ニュ〜スの記事を見せる。


「へぇ〜……全長160センチのマグロ……」

記事を見ながら、月夜がイブキの頭に手を載せる。


「丁度、アンタぐらいかな?」

イブキの頭に置いた手をポンポンと2回ほど叩きながらそんな事を言うのだった。


その夜、吊るされたマグロの顔にイブキ自身の顔をハメ込んだ雑コラのような姿で月夜に喰われる夢を見るのだった。

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