ちきんねいる。

 いつものバス停にて――


「さんじゅ~ねんにわたってコレクションしてきた3000ボンのゲ~ムソフトやハ~ドがオ~クションにシュッピンかぁ~……」

 イブキが部屋中に所せましと並べられた最新からレトロまでのゲ~ム――ソフト、ハ~ド問わずが並べられた画像を見ながら、物欲しそうに呟く。


「指を舐めるだけでフライドチキンっ!?」

 月夜がそんな意味不明な叫び声を上げた。


「見てよ! ちょっとこれ見てよイブキ!!」

 そんな事を言いつつ――


「イタイ! イタイ!! カド!!! カドあってるからっ!!!!」

 興奮ぎみの月夜は自分の持つ新型の小型スマホをグイグイとイブキの頬に当てる!


「もう……なんなのさぁ……」

 イブキは少し赤くなった頬を摩りながら、恨みがましい視線を月夜に向ける。


「すっごいのよっ! さぁさぁ――はやく見てよ」

 興奮醒めやまぬままそう言ってくる月夜。イブキは再び頬スマホグリグリされないように自分の顔のアブラが付いたスマホを受け取る。


「ホンコンのケンタがチキンのあじがするマニキュアをかいはつ?」


「そうなのよっ! これを塗っておけば、どこでもチキンよっ!! どこでもチキン!!!」


「う~ん……そんなのコ~フンするよ~なコトかなぁ~……」

 月夜との温度差にそう首を傾げるイブキ。


「だって、どこでもチキンよっ!」


「たまにたべるからいいんだよ。それにいつもツメをペロペロしてたらヘンなヒトだよ……」


「ウチはいつも食べたいっ!」


「う~……イブキさんといるときはツメペロペロはジチョ~してね」

 月夜のテンションに押されてそう言うのが精一杯のイブキだった。

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