まぼろしの〜

 いつものバス停にて――


「 269コのレトロゲ〜ムができるケ〜タイゲ〜ムきかぁ〜……」

イブキがゲ〜ム情報――と、いってもかなり怪しげな如何わしい代物を扱った記事に興味津々で食い付いている。


「う〜ん……おぉ! スパルタンXもできんだ‼︎ いいかも……ぜったいキョッカとってないメ〜ドインチャイナだけど……」

イブキが後頭部をカリカリ掻きながらボヤく。


「吉野家の幻のメニュ~? へぇ~……そんなんあるんだ!」

 月夜がグルメ系ニュ~スアプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「牛タン定食かぁ~……実験的メニュ~でどこの店舗でやってるか公表されてない――う~ん……自分で探さないとダメかぁ~」


「ん? 月夜だったらニオイとかでさがせそ~じゃない?」

 今度はス~パ~ファミコンの携帯機版を探しながら、そんな事を言うイブキに、


「いや……ウチにそんな特殊な能力ないし……」


「えっ!? ない…………の?」


「そんな意外そうな表情されても……一回、アンタの中のウチのイメ~ジ像を問い詰めたいわね」

 半眼でそうイブキに言い放つ月夜だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る