し~ど。

 いつものバス停にて――


「あま~い」

 イブキがコンビニコ~ヒ~の紙カップを両手で持ちながら、白い息とともにそんな声を洩らす。


「ん? イブキ、コ~ヒ~なんて飲めたっけ?」

 月夜が『アレ?』と小首を傾げながら、


「コ~ヒ~じゃないよ。マシュマロラテ。コ~ヒ~にバニラパウダ~とミルクマシマシでホシガタのカワイイマシュマロがはいったのみものだよっ!」

 そう言うイブキのカップから確かにバニラの甘い香りが漂ってきた。


「へぇ~……ウチはあんまし甘い飲み物のまないからそ〜いうのよくわっかんないケドね〜」


「おいし〜よ」

真っ白な手袋を着けた手でしっかりとカップを持ったまま、あったかい湯気を見せる。


「う〜……肉まん食べたくなっちゃった」


「え〜」


「それよりも――ほら、おもしろい物売ってるよ」


「ん~? ヴァレヴァンからにんきア~ルピ~ジ~でおなじみのタネがはんばい?


「そそ。すばやさの種とかそんなやつ――ま~アンタにはかしこさの種が必要なのかもしんないケド」


「え~……イブキさんはムネのおっきくなりそうな『いろけのタネ』とかじゃないの?」


「そんなのないし、仮にあったとしても魔法使いに力の種注ぎ込むぐらいムダな事だからやめときなさい」

 バッサリとそう言い切る月夜だった。

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