月夜といくたべほ~だい。

いつもバス停にて――


「10月16日からステ〜キどんで食べ放題イベント開催――ってドコ行くの? イブキ」

食べほ〜だいという言葉が出た瞬間、ソ〜と逃げようとしたイブキの襟首が無情にも掴まれる。


「はなして〜! サンマがサンマがイブキさんをよんでんのっ! あと2ひきつかまえたら30ぴっきでイベントクリア〜なんだもん!」


「はいはい。今度サンマ30尾食べたいのね。まずはお肉食べてからね〜」


「ちがうよっ! ニガいサンマなんてたべたくないよっ! しかも30ぴっきもたべたら――」


「大丈夫よ。旬だし、おいし〜からぜんぜんイケるってっ! でも、まずお肉の食べほ〜――」


「たべほ〜だいイヤ〜!」


「またまた~食べ放題がキライな人類なんて存在しないわよ」


「月夜といくたべほ~だいキライっ!!」


「はいはい」


「いや~イブキさんがブタさんになっちゃう~」


「ウシを食べに行くのよ牛を」

 そう言いながらイブキの言い分を全く聞かずにズルズルと引き摺って行く月夜だった。

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