ふぁみ?

 いつものバス停にて――


「ふんふんふん~ん♪ あきのシンサクはなんだろ~な」

 イブキが大好きな野菜ジュ~スを飲みながら、カバンから取り出した雑誌を開く。


「なになに秋物の服? なんかいいのある?」

 月夜がグルメ系ニュ~スで新作カップメン特集のなかにあった、カレ~ラ~メンのレビュ~記事を読むのを中断してイブキの呟きに反応する。


「ううん。ゲ~ムのざっしだよ、ホラ――」

 そういってイブキは雑誌を閉じると背表紙を見せる。


「ふぁみつぅ~?」

 月夜がそのまま読み上げる。


「そそ。むかしからあるユ~メ~なザッシだよ」


「へぇ~……でも『ファミ』ってなに?」


「へ? 月夜……ホンキでいってんの?」


「うん。なにアンタわかんの?」


「うん。ファミコンつ~しんのリャクでしょ?」


「ふぁみこん?」

 と、首を傾げる月夜に、


「え~!! ファミコンしらないのっ!? カセットふ~ふ~とかクソゲ~がおおいとか――」


「知らない」


「ううん……ジダイをかんじるなぁ~」

 空を見上げしみじみ呟くイブキに、


「いや、ウチ等――同級生」

 そう突っ込む月夜だった。

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