ずっとともエンピツ。

 いつものバス停にて――


「ミスドが秋ド〜ナッツとしてマロンド〜ナッツを販売かぁ〜」

月夜がチョコのかかった栗型のド〜ナッツの画像を見ながら呟く。


「お〜! みて、これみてよ月夜。おもしろいはなしのってるよ」

と、振ってきたイブキのスマホ画面には――


「『あなたが死後に変身できる物』?」

月夜がそこに書かれた記事の見出しを読み上げる。


「なにこれ?」


「なんかね〜イタイをつかっていろいろなモノがつくれちゃうらしいよ」


「へぇ~。そ~いえば以前に遺体から人口ダイアモンドがつくれるって話ししてたね」


「うん。ほかにもレコ~ドやド~ロのヒョ~シキやシャシンにもなれるらし~よ」


「ふ~ん……あら? 鉛筆にもなれんだ」


「あっ! ホントだ」


「もしイブキが死んじゃったら鉛筆にしてウチと一緒に勉強――」


「そんなコトしたらバケてでるかんねぇ!」

 死ぬほど――死んでも勉強が嫌いなイブキの魂からの抗議だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る