えれべ~た~
いつものバス停にて――
「う~む……なるほど、なるほど……」
イブキがスマホでなにかの記事を読みながら、感心したように呟く。
「ほ~ほ~。あのバメンになったらそ~すればイイのかぁ~」
よほど熱心に記事を読んでいるとみえ、月夜も少なからず興味を覚えた。
「ね~ね~――」
月夜が話しかけるタイミングを図っていると、イブキのほうから話しかけてきた。
「なになに? ど~したの?」
「えっとね~……」
イブキは少し思案した後、
「エレベ~タ~がキュ~コ~カしたときにど~っやたらいきのこれるとおもう?」
「何読んでんのっ!?」
月夜がイブキのスマホを取り上げ、内容を確認する。
「落下するエレベ~タ~の中で生き残る方法?」
「そだよ。 あっ! ジャンプしてもムダだかんね」
「ふ~ん……」
その記事には手すりに体重を載せる、バッグやス~ツケ~スで衝撃を吸収する、膝を軽く曲げて衝撃を緩和する――といった事が真剣に書かれていた。
「――で、これが何になんの?」
「ん? ホラ~エ~ガじゃわりとよくあるシ~ンじゃん」
「ホラ~映画展開じたいそ~ないから……」
「いきのこるタメにヒツヨ~ナコトなんだよっ!」
そう力説するイブキに、
「そっか……まっ、がんばってね」
そう言うだけで精一杯の月夜だった。
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