えいぷりるふ〜る?

いつものバス停にて――


「んふふふふふふふふふふふ――」

春の陽気のせいだろうか? いつになく締まりのないゆるみきった表情で上機嫌なイブキ。


「どったの? なんかいい事でもあった?」

月夜があまり興味がなさそ〜な雰囲気で尋ねる。


「ん〜? きになる? なっちゃう?」


「ウザっ! なにそのスッゴイウザい感じのノリ‼︎ 2015年で一番の不愉快を感じたわウチ!」


「もうジョ〜ダンがウマいんだから月夜はぁ〜」


「ん〜……割と本気なんだけど……まあ、いいわ――で、なにがあったの?」


「んふふふふ――イブキさんね――」


「カレシできちゃった!」


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――!」

いままで全く興味がなかった月夜が途端に身乗り出して食い付く!


「うそうそうそ! やったじゃん‼︎ おめでと〜‼︎‼︎ でで、どんな人? 年上? 同じ学校? 男同士だと割とくっつきやがるってホント?」


「んふふふふ――うそ」


「ふぇ?」


「みごとにダマされた〜。ほらキョ〜ってエイプリルフ〜ルでしょ」


「……いや、今日は4月2日なんだけど……」


「あれ?」


どうやら春の陽気で1日勘違いしたイブキだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る