みりょく。

 いつものバス停にて――


「オトコのヒトにきいたオンナのコのミリョクあるカショ――」

今日もイブキが如何わしい記事を読み、自身と重ね合わせる。


「まず――スラっとのびたあし」

イブキは少し腰を曲げ自分の脚をみる、短いながらも程よく筋肉がつき――それでいて細い脚、もう少し長ければ綺麗な脚線美と表してもいいだろう……長ければ……。


「もうちょっとながかったらな〜。まだまだ、つぎは『キュっとしたおしり』」

イブキは両手で自分のお尻を触り、


「う〜ん……やわらかいケド……ちいさくて、カタチもイビツなよ〜な……」

ムニュムニュ、ポンポンと触りながらそう表する。


「う〜ん……つぎにキタイ。えっと……『ウエストのくびれ』かぁ……」

再び両手で腰の辺りを左右からキュっとしてみる、そのまま上にズラしたり、下にもってたりしてみる。


「な、なんかズド〜ンっていうかんじ……あんまりドコもヘンカないよ〜な……つ、つぎこそはバンカイするモン! え〜っと……『ムネのふくらみ』…………………………………………………………………………………………………………………………………………」

一縷の望みを籠めて自身の胸を見る――そこには残酷なまでの無限大平原が広がっていた!


「つまり、イブキは女の子の魅力が限りなくゼロだと」

月夜が『女子力たったの5! ゴミめ!」的な視線でそう言った。

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