こせ~

 いつものバス停にて――


「イブキさんヘ~ボンなヒトになりたい!」

 イブキが唐突にそんな事を言い出す。

「無理!」

 月夜は読んでいたネットニュ~スを中断して、キッパリと言い切った。

「ムリじゃないよっ! なれるモン!!」

「――って、なんで急にそんな事言い出した?」

 イブキの気まぐれはもう慣れたモノなのか、少しあきれ顔で聞き返す月夜。

「いまね~」

 イブキが自分の読んでいた恋愛系コラムを月夜に見せる。

「男性は付き合う女性に個性は求めてない? あ~それで……」

「そうなんだよ!」

月夜が納得顔でイブキが得意顔で――

「イブキさんがここまでモテないのはヒトのなかにうもれないからだよっ!」

「そう? いつも人混みに埋もれちゃって見つけるの大変だよ、背ちっさくてまったく見えないもん」

「おぉ! すでにイブキさんはボツコセ〜てきなんだネ!」

瞳を輝かせるイブキに、

「いや、その極端にちっさいのは逆に個性じゃない?」

「ぎ、ぎゃくに……」

がっくりと地面に四つん這いになって落ち込むイブキだった。

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