あとト〜カほど……。

 いつものバス停にて――


「う〜ん……あとト〜カもないよ! どうしよ〜どうしよ〜」

そういって、一人頭を抱えるイブキ。

「月夜月夜――」

「ぬぁ! こっちきたぁ⁉︎」

月夜があまり可愛いくない悲鳴をあげる。

「もうすぐクリスマスだよっ! カレシもできるケハイもないし、どうしよ? ど〜したらいい?」

瞳に涙を貯めて訴えかけてくるイブキに、

「明石家サンタ見て寝れば?」

「ひどっ! マイトシみてるケド……ことしこそさんまさんからソツギョ〜できるとおもったのに」

「そのセリフも毎年言ってるけどね」

「そっだ!」

拳で地面を叩いて悔しがってたイブキは突然、『良い事思い付いた!』といわんばかりの表情になると、

「あかしやサンタにハガキだそ〜」

「あ〜彼氏できませんでした、不幸ですみたいな?」

「そそ。で、ベルならしてもらってカレシもらうんだ〜むしろ、さんまさんもらう!――いや、ちょっとまって! やっぱし、ありのカチョ~にしよう! ぜんゲ~マ~のあこがれの!!」

「くれないと思うよ」

月夜がそう呟いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る